アレルギー疾患は、診療科を超えて横断的に症状が出ることを特徴としています。
例えば食物アレルギーやアトピー性皮膚炎のある乳児が将来喘息や花粉症を併発することは稀ではありません。
一般的に喘息様症状であれば小児科を受診されると思いますが、乳幼児のアトピー性皮膚炎は皮膚科を受診すればいいのか小児科を受診すればいいのか、あるいは鼻炎症状では耳鼻科を受診すればいいのか小児科を受診すればいいのか迷うこともあると思います。
当クリニックでは「日本アレルギー学会認定専門医」が総合的に診療を行い、学会が作成したガイドラインに準じて診断治療を行っていきます。
また、より専門的な診療が必要なお子さんには必要に応じて紹介もさせて頂きます。
〈予約制〉
アレルギー外来 月〜木曜 13:30〜15:00
痒みのある湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気で、年代ごとに症状の現れやすい部位があります。
原因は、皮膚のバリア機能の低下と言われています。
悪化する原因には、皮膚につく菌、ダニやカビ、汗、ペット、食事のバランス、生活習慣、ストレスなどが関与しています。
スキンケア、悪化要因の対策、外用療法が治療の3本柱です。
アトピー性皮膚炎で、薬を塗っても良くならない、あるいは塗ると良くなるけどやめると悪くなるという場合の多くは、正しい塗り方(減らし方)ができていません。また、再燃を予防するためのプロアクティブ療法(予防治療)もアトピー性皮膚炎のガイドラインでは推奨されています。
アレルギー外来では、これらの内容について、資料を用いて詳しくお話しさせて頂きます。
お子さんの皮膚の状態や現在の治療に不安のある方はご相談ください。
食物を食べることで、皮膚症状、呼吸器症状、消化器症状などの症状が引き起こされる病気で、これらの症状が広範囲に強く現れる場合をアナフィラキシーと言います。
血液検査で陽性でも食べられる場合もあれば、検査で陰性でも食べると症状が出る人もいるため、血液検査だけでは診断できません。
また、食べるだけでは問題なくても食後に運動をすることで症状が誘発される特殊なアレルギーもあります。
その他、花粉症のある人が特定の果物や野菜を食べると口腔内にしびれや腫れなどの違和感を訴える口腔アレルギー症候群や、下痢や嘔吐だけを認める消化管アレルギーなどもあります。
一番重要なことは、症状が出たときの状態を詳しく把握することです。
どんな物をどの程度食べてどのような症状が出たのか、食べてからどのくらいの時間で症状が出たのか、疑われる食材は初めて食べたのかなどを詳細に聞くことである程度推察できることがあります。
検査というとまず血液検査を思い浮かべる人が多いと思います。
もちろん血液検査も重要な検査ですが、よりお子さんの負担が少ない皮膚テスト(プリックテスト)もありますし、診断の確定や除去の判断には食物経口負荷試験が必要になることもあります。
アレルギー外来では、よくお話を聞いた上で、必要であれば検査を行うとともに、可能な限り食物経口負荷試験も行い、必要最小限の除去にとどめ、年齢とともに除去の解除を目指していきます。
また、過去にアナフィラキシーの既往のあるお子さんには、必要に応じてエピペンの処方も行います。
気道(空気の通り道)に慢性炎症があるために、息が苦しくなる発作が繰り返し起こる病気です。
乳幼児にアトピー性皮膚炎があるお子さんは、喘息になりやすいといわれています(アレルギーマーチ)。
気道に慢性炎症があるために、ハウスダストやダニやカビといった様々なアレルゲンに対して過剰な免疫反応を起こしてしまうために発作が起こります。
乳幼児の多くは、これらのアレルゲンだけでなく、多くの風邪の原因になるウイルス感染でも過剰な免疫反応を起こすため、乳幼児では風邪を引いたときにゼーゼーしやすくなります。
基本的には症状と診察(聴診)、吸入薬に対する反応で喘息症状かどうかは概ね判断できますが、小さなお子さんでは1回そのような症状があったからといってすぐに喘息と診断されるわけではありません。
同じようなエピソードを繰り返せば喘息と診断されますが、これらの症状の多くは夜間や早朝に増悪しやすいため、普段のかかりつけ医以外の救急外来で診察を受けることが多く、翌日かかりつけ医を受診したときに症状が治まっていると、はっきり喘息と診断されずに適切な治療が開始されないこともあります。
しかし、発作が起こっていないときでもある程度大きなお子さんでは、呼吸機能検査などを行うことで、診断の参考にはなります。
また血液検査でハウスダストやダニなどのアレルゲンを調べることも診断の参考にはなりますが、痛みを伴う検査のため、必要に応じて検討します。
気管支喘息の治療には、急性増悪時(しんどい時)の治療と、長期管理(予防)の治療があります。
気管支喘息にはその症状の強さや発作が起こる頻度から重症度が決められており、それぞれの重症度に応じた治療が選択されます。
アレルギー外来では、過去の症状を詳細にお聞きした上で、必要な検査、治療を行いますので、お心当たりがある方はご相談ください。
様々なアレルゲンが原因で誘発される鼻粘膜のアレルギー反応により、発作性、反復性、持続性のくしゃみ、鼻汁、鼻閉を認める病気です。
一年を通して症状を認める通年性のアレルギー性鼻炎と、特定に季節にだけ症状を認める季節性のアレルギー性鼻炎があり、通年性の多くはハウスダストやダニアレルギーですが、花粉を代表とした複数の季節性アレルゲンが重なって通年性になっている場合もあります。
そもそもアレルギー性鼻炎かどうか、かぜに代表される感染性の鼻炎、副鼻腔炎症状ではないか、病歴を詳細に聞き、皮膚テストや血液検査などを行いますが、お子さんに負担をかける検査もあるため、疑いが強い場合は診断的治療を行うこともあります。
アレルギー性鼻炎には、くしゃみ、鼻汁、鼻閉症状の強さに応じて重症度があり、それぞれの症状にあわせて抗アレルギー薬の飲み薬やステロイド点鼻薬などを使います。
花粉による季節性アレルギー性鼻炎では、花粉の飛散が始まる前から治療を開始することが勧められています。
アレルギー外来では、診察や検査などでアレルギー性鼻炎と診断した場合には、原因別に対策を相談させていただきます。
また、原因がダニやスギ花粉の場合には舌下免疫療法も有効です。
当クリニックでも今後舌下免疫療法を行う予定ですので、ご希望の方はお問い合わせください。